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特定技能外国人と建築業界の現況やメリットやデメリットについて解説

特定技能というのは、2019年4月に創設された外国人材の在留資格のことです。

日本では一部業種で人手不足が深刻になっており、人材確保のために新たな受け入れ制度を設ける必要がありました。
そのため、第197回臨時国会において「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、特定技能制度が正式に認められることとなったのです。

この公的制度を利用し、特定技能外国人を雇用したいと考える建築業を営む企業は多数あることでしょう。
このコラムでは、建築業界における特定技能外国人の受け入れについて解説していきます。

制度設立の背景や概要から特定技能のメリット・デメリットまで詳しく紹介していくので、採用を考えている方の参考になればと思います。

特定技能外国人と建築業界の現況やメリットやデメリットについて解説

特定技能制度が開始された背景とは?

外国人の在留資格である「特定技能」制度が開始された背景には、日本の中小企業における深刻な人手不足があります。

特に、建築業界での人手不足は顕著です。
2020年12月に厚生労働省が公表した一般職業紹介状況での「建設の職業」における有効求人倍率は4.32%となっています。

※引用:職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート))

少子高齢化に伴い、「体力を要する仕事を長時間続けるのが厳しい」という労働者が増えています。
また、若者の建築業離れなどもあり、専門的な知識や技能をもった外国人を受け入れていく必要性が生まれました。

特定技能制度の概要と受け入れ可能な業種

一般的にはまだあまり知られていない特定技能制度ですが、今後多くの企業で必要とされる時が来るでしょう。
まずは、特定技能制度についての概要を知っておきましょう。

特定技能1号と特定技能2号の違い

  • 特定技能には1号と2号があり、特定技能2号の受け入れが可能なのは、建設と船舶・舶用工業の2分野のみ。
  • 特定技能1号の外国人には、日常会話レベルの日本語能力と建設分野特定技能1号評価試験への合格が求められる。最長5年間就労することができる。
  • 特定技能2号の外国人には、熟練した技能や高い専門性が求められる。在留期限の制限がない。特定技能1号からの移行が可能だが、まだ実施されていないのが現状。2022年春に向けて拡大が検討されている。

※引用:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 建設分野

特定技能外国人を受け入れ可能な業種

特定技能外国人を受け入れ可能な業種は、以下の14分野です。

介護

ビルクリーニング

素形材産業

産業機械製造業

建設

造船・舶用工業

自動車整備

航空

農業

漁業

飲食料品製造業

外食業


業種別にさらに細かく分けられており、建築業においては以下の18の職種が受け入れ可能となっています。

型枠施工

左官

コンクリート圧送

トンネル推進工

建設機械施工

土木

屋根ふき

電気通信

鉄筋施工

鉄筋継手

内装仕上げ・表装

とび

建設大工

配管

建築板金

保温保冷

吹付ウレタン断熱

海洋土木工学

特定技能外国人を雇用するメリット・デメリット

採用担当者がもっとも気になる点といえば、やはり特定技能外国人を雇用した際のメリットやデメリットではないでしょうか。
これらを熟考した上で採用を前向きに検討していきましょう。

特定技能外国人のメリット

1.人手不足が解消される
2.専門性が高く一定以上の技能をもった人材が手に入る
3.日本語レベルN4(基本的な日本語を理解できる)人材を採用できる
4.専任技術者(注文者とのやり取りや契約の締結を行う者)になれる

特に4番においては、技能実習から特定技能2号への移行であれば、専任技術者の要件「許可を受けようとする建設業種の実務経験が10年以上あること」に当てはまります。
そのため、特定技能外国人が専任技術者になれば、建設業許可の取得及び維持が可能になります。

特定技能外国人のデメリット

従来は「外国人労働者は安い賃金で雇用できる」というイメージがありましたが、特定技能外国人においてはそうとも限りません。

なぜなら、特定技能外国人は日本人労働者と同等以上の待遇が義務付けられているからです。
各企業が自由に給与の設定ができるわけではありません。
法律に基づき、日本人労働者と比較し、勤続年数に応じて設定する必要があります。

また、建築業界においては、特定技能1号を採用する場合、毎月12,500円~20,000円の「受け入れ負担額」を支払わなければなりません。

さらに、登録支援機関への委託手数料として、登録支援機関委託費用が毎月20,000円~30,000円かかるため注意が必要です。
外国人労働者だからといって報酬を安くすることなどはできませんから、就業規則をしっかりと取り決めておくべきでしょう。

特定技能外国人の受け入れ方法や条件について

実際に特定技能外国人を受け入れるには以下の5つの方法が挙げられます。

  1. 雇用中の技能実習生を移行させる
  2. 人材会社や求人広告を通して特定技能外国人を採用する
  3. 他社で雇用されている技能実習生を採用する
  4. 技能実習を修了し帰国した外国人を採用する
  5. 技能評価試験と日本語能力試験に合格した留学生を採用する

また、特定技能外国人を受け入れるには各企業が以下の5つの条件をクリアする必要があります。

  1. 国土交通省の計画認定を得ている
  2. 建設業許可を取得している
  3. 特定技能外国人の入国2週間以内に、建設キャリアアップシステムでの登録申請を行い、メールの写しと受け入れの報告を国土交通省に提出している
    建設キャリアアップシステムHP
  4. 月給で給与を支払う
  5. 特定技能外国人の数が常勤職員の数より少ない
  6. 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)もしくは同機構の正会員である建設業者団体に加入している

他業種に比べると、建築業界では特定技能外国人の受け入れ条件が厳しいといえます。
人手不足で優秀な働き手を探しているという採用担当者さまは、特定技能外国人の受け入れ条件を整えるところから始めましょう。

特定技能人材サービスの料金などはこちら

特定技能登録支援機関ジーオ【登録支援機関番号 20登-005269】

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